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【読書感想】偽善エコロジー <「環境生活」が地球を破壊する> ~これが思考のスターとかな~ [読書]

藤岡藤巻と大橋のぞみ - 崖の上のポニョ - EP - 崖の上のポニョ
偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1))

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1))

  • 作者: 武田 邦彦
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 新書

最近のリサイクルというのには何だか疑問を持たずにはいられなかった。

まあこれは私の周囲の環境においてだけかもしれないが、やれ紙ゴミだ、新聞紙だ、上質紙だ、A4のオフィスペーパーだと分別しておきながら、用紙の回収業者に渡すのかと思いきや、段ボール以外は機密性の問題から、焼却に一括して回すということを総務部の人間と立ち話をしていて知ってしまった。

何の為に、わざわざオフィスの机から離れて、ゴミ集積所の分別箱に入れているんだ!と思ってしまった。

この結論は、私の勤める会社には生活環境室なる部署があるのだが、そこの方々が流行にのって分別という制度を作ったというところだ。つまり、仕事を作る為に作業を産み出した「仕事の為の仕事」だったのだ。バカバカしい!

こんな事がお役所レベルまでいくときっと沢山、溢れかえっていて税金をさぞかし無駄遣いしているのだろうと思ってしまう。

そんな矢先に書店でみつけたのが、本書だ。

読んでみると、思った通り、やっぱり「リサイクル」と呼ばれるものの<多く>の場合、ただのエゴだったり意味がなかったりするのだな~と納得させられてしまった。

本書では、

  • レジ袋
  • 割り箸
  • ペットボトル
  • ハウス野菜・養殖魚
  • 石油をやめバイオエタノールに
  • 温暖化はCO2削減努力で防げる
  • 冷房28度設定で温暖化防止
  • 温暖化で世界は水浸し
  • ダイオキシンは有毒だ
  • 狂牛病は恐ろしい
  • 生ゴミを堆肥にする
  • プラスチックのリサイクル
  • 洗剤より石鹸
  • 古紙
  • アルミ缶
  • 空き瓶
  • 食品トレイ

などなど。

どの章もそれなりの説得力を持っている。ここを起点として自分で自治体に聞いたり、所轄の省庁や管理財団に聞いてみるのも良いかもしれない。

そこで、早速、武田 邦彦氏の「レジ袋」の説が正しいのか少し調べてみた。
レジ袋の使用が減れば石油の使用量減る → うん、それは言い過ぎだ。
それは非常に単純な事だった。財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターのサイトに簡単、かつ色々にわたって絵や記述がある。まず、一定量の原油を精製すると以下の様な割合で分離するようだ(たぶん。、詳細な資料新日本石油のサイトにある)

 

そして、レジ袋は「ナフサ」から更に精製されるエチレンが原料のようだ。
つまり、レジ袋の使用減でエチレン、ひいてはナフサの使用量縁、他の用途に有効活用することができるということは言えるが、石油使用量が減りるということは、少し次元が異なる様だ。

この様に、武田 邦彦氏が展開する議論から見るに、どうやら多くの環境コラムニストや環境省や自治体が勧めている運動は、方向性が間違っていると言えるだろう。著者の武田 邦彦氏も書かれているが、環境問題を改善しようとするには、レジ袋や一つ一つの個別の話を取り上げていくのではなく、生活を見直し<不要な物>を生産しない・消費しないで済むスタイルを作りましょうということが、市民レベルでできる話のようだ。

「レジ袋をやめてマイバックを持ちましょう」といった風潮がひろまった瞬間、マイバックとなりえるプラスチックバックや布袋が大量に売られたり、ノベルティとして配布されるようになった。これがおかしな話ということだろう。

しかし、個別の事案を取り上げるのは簡単だが、「環境の為に全体的に消費を抑えましょう」なんて政府や自治体は絶対に言えるはずがないだろう。そんなキャンペーンを張ったら財界には怒られるし、巡り巡って税収は落ち込むし、良いことがひとつもないのだから。

本書からの教訓は、環境問題もあるが、世の風潮は本当に正しいのかという情報の精査が個々人のレベルでも絶対に必要だと言うことだと思う。

ゴミの分別については、面白い本が別にあった。本書にも書かれているのだが、本当にリサイクルの環を作るには市民個々レベルでの分別ではなく、大枠でゴミを集積し、大規模な施設で分別する方が効率的だし、主観が排除された望ましいリサイクルができるということだ。併せて紹介しておきたい。

なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?

なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?

  • 作者: 瀧口範子
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2008/07/12
  • メディア: 単行本

こういった話題は、何が正しいのかということを判定することは、なかなか難しいと思う。
勘違いしてはいけないことは、武田 邦彦氏の主張も100%正確だと言い切れることもできないだろう。要はこういった書物を起点として、言われていること、やっていることが理にかなっているのかを、ちょっと考えてみる材料になればいいのだと思う。

これを書いた後に気が付いたのだが、著者と多くの人達の間には数多くの見解の相違や大人げない中傷合戦もあるようだ
そう言ったことは一端、横に置いておいて物事を少し自分で考えてみると面白いのではないかと思う。

(最高★五個として)
好き度     :★★★★  (読んでみるべき)
お薦め度 :★★★★    (環境問題の思考の起点かも)
かな。
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