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【読書感想】わたくしが旅から学んだこと [読書]

アラフォーより上の世代であれば、懐かしいの一言から始まるような気がします。

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ!

わたくしが旅から学んだこと 80過ぎても「世界の旅」は継続中ですのよ!

  • 作者: 兼高 かおる
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/09/01
  • メディア: 単行本

子供の頃、日曜日の朝は「兼高かおる世界の旅」で何となく午前中が終わっていく・・・。
というように毎週見るのが習慣になっているほど好きな番組でした。

いつか自分も、ふらりとそんな旅をするんだと憧れを抱かせ世界に目を向けさせてくれたのが
この「兼高かおる世界の旅」であり、兼高かおるさんでした。

そして、兼高さんの本は初めて手に取ったのですが、美しい日本語の語り口に安心して言葉を
追っていくことができる1冊でした。

本書には、貴重な写真が多く掲載されています。
JFKやチャールズ皇太子、サルバドール・ダリといった有名人から、兼高さんご自身の若い頃の水着姿等。水着にもエピソードがあり毎回、異なる水着を用意されていたそうです。日本に世界を紹介するという番組の目的以上に、世界に日本を紹介するという気概を強く感じさせるエピソードであるなと思いました。

そして、人生を3分割のたとえにはなるほどなと思いました。
それは、
・最初の3分の1は、あとで世の中の役に立つことを習う。
・次の3分の1は、世のため、人のために尽くす
・残りの3分の1は、自分で好きなようにつかう
と、いうものでした。

まあ、2つ目の世のため、人のために今やっていることが当てはまるかは、ちょっと難しいですが。こういった意気込みをもった生き方もありだなと思ったのでした。

また、「若い人は安い旅をしてはいけない」という部分には共感を持ちました。
幸い、私は1ドルが90円ぐらいの時に学生時代を過ごしたお陰で、為替の追い風を受けながら、楽しい海外旅行をすることができました。まだユーロが存在せず、夜行列車を降りたら、その国のお金がなくて両替所があくまでひもじいお腹を抱えてぼ~っとしていたなんて思い出もありますが、美術館もちょっと頑張ったレストランへ行くことも出来ました。

それが、ここ数ヶ月はともかく、日本円の価値の下落以前に周辺通貨の上昇や物価の上昇でせっかくヨーロッパまで行っていつもスーパーでパンを買っていましたという後輩の話も聞いた事がありました。年齢相応のお金の使い方はありますが、少しぐらいの背伸びは必要なんだよな~と思ったのがこの1節でした。

ただ、番組のエピソードに対する盛りだくさんの期待を持ってしまうと、ちょっと肩すかしと
なってしまうかもしれません。字が大きく読みやすい、そして丁寧な語り口であるので、小学生
ぐらいに読んでもらうと、世界に対しての考え方の一助になるかもしれません。
あるいは、兼高氏自身もその辺りを本当は狙っているのかもしれません。
しかし、大人にとっても気づきはあると思います。
決して無駄ではないけれど、正直に言えばちょっと残念な感じ、もっと色々なエピソードを読みたいなという感じが読後に残りました。


好き度   :★★★★   (先達の大きな思いが込められているとおもいます。)
お薦め度 :★★★   (もう少しエピソードがあれば)
かな。
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昭和の兼高ファン

今月(5日)、90才で死去された兼高(かおる)女史の著書。「追悼・緊急重版」を配本した小学館文庫へ、御礼を云いたいです。 女史の著作は 本書(初版:2013年)と『わたくしたちの旅のかたち』(曽野綾子との共著、2017年)以外は書店での入手困難なのですが、もっと若い読者に読まれるべき作品群であり、『世界の旅』(1963年)や『旅のアルバム』(1985年)等々、復刊してほしいなぁ。

1928年生まれの彼女は、私(1958年生まれ)から見て、両親(故人)の世代、正確には両親の「姉」世代に該当します。毎週日曜の11:00~11:30、TBS系テレビで放映された長寿番組『兼高かおる 世界の旅』(1959~1990年)は、戦後日本の高度経済成長期と重なり、昭和世代には忘れられない映像番組でした。また一つ、「巨星墜つ」「昭和は遠くなりにけり」の実感が胸に迫り、寂しいですねぇ。
「私」と書いて「わたし」でも「あたし」でもなく、断じて「わたくし」。 番組のナレーションで、司会の芥川隆行(1919~1990年)との軽妙な掛け合いが彷彿とされ、本書を読むと まさに「文は人なり」! 「そうなんですの」「ですのよ」・・・良く云えば「楷書の日本語」、悪く云えば「ざぁます言葉」で、芥川アナが下ネタへ脱線しそうになると、ピシャリとたしなめる会話が耳に残っていて、懐かしいです。

「上品で格調高い話し言葉」の反面、彼女のエキゾチックな容貌、グラマラスな肢体、芥川や視聴者をハラハラさせる「体験主義」と「突撃取材」スタイルは、ミス・マッチな意外感をもたらして魅力的で、われわれ視聴者を飽きさせませんでした。
「本名=兼高ローズ」「父がインド人、母が日本人のハーフ」「元祖ハーフ・タレント、ジャーナリスト」・・・しかし、彼女自身は(昭和ヒトケタ生まれの日本女性らしく)それらの肩書で紹介されることをネガティブに解し、積極開示したがらなかった節があります。 本書で語られる「自伝」部分でも、「父」に関する記述が無く、まるで母子家庭のような書き振り。 例えば、≪母と兄と、仕事などでわたくしを育ててくれた人たちに毎朝おいしくお茶を入れ・・・お供えをして・・・そして一日が始まります。わたくしがひとりでも寂しくないのは、自分を愛してくれたと信じる人たちとのこんな時間のおかげのような気がします≫(第三章 地球の旅は180周回。人生の旅はまだ1周目)。 この点について、彼女が秘したまま亡くなってしまった為、「母子家庭」説は永遠の謎になってしまいましたが。

<提案> 平成生まれ、或いは次の御世の若い読者に本書を手に取ってもらい、「兼高かおる」を発見してもらう為に、もっとヴィジュアル面に配慮した装本とすべきです。 表紙写真には、彼女が一番輝いていた時代=「兼高かおる 世界の旅」主演時のグラビアを採用して下さい。彼女の若い頃(と云っても、番組へのデビューは三十代)の美貌を前面に出さないのは勿体無いです。「世界の旅」降板後~晩年の写真は、「第三章」への挿入・掲載でも充分なのでは?
by 昭和の兼高ファン (2019-01-27 09:30) 

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