【読書感想】0系新幹線から始まる 昭和の鉄道風景 [読書]
日本人が、鉄道が輝いていた時代、昭和。
そんな時代を鉄道写真家の南正時氏が、自分の撮影した写真と懐古の情を書き下ろした1冊である。
昭和40年代生まれの私には懐かしい写真も多かったのだが、中にはちょっと私も知らない世界だな~と思う写真やエピソードもあった。しかし、概ね共感がもてる。
つまり、私もかなりの部分、オジサンの領域に足を踏み込んでいるのだろう。
例えば、0系新幹線のエピソード。南正時氏が描く本書にも食堂車やビュッフェのエピソードが出てくる。
そして、やはりこの車両には私も思い入れがある。特に食堂車。母の好みなのだろうが必ず指定券を取る際は「帝国ホテル」か「都ホテル」が食堂事業者として乗務している列車に乗っていた。食堂車へ連れて行ってもらえることは少なかったが、京都へ帰省する道中、車内をうろつき回ってビュッフェについていたアナログの速度計をよく眺めていた。
旧国電。思えば中学校・高校と毎日のように101系・103系にはお世話になっていた。しかも、現代の鉄道ファンのなかでは、もはやそれらの車両も旧国電に分類されるらしい、等々。
ただ、全体的な色調は昭和30年代後半から40年代前半に中心がおかれている。
よって、昭和30年代以前に生まれた方には、まさにドンピシャの郷愁感満載の1冊だと思う。
昭和50年以降の人間にとっては、牧歌的で社会の中心であった鉄道の良き時代を垣間見られる1冊だと思う。
(最高★五個として)
好き度 :★★★★ (懐かしく楽しい時間・鉄分補給)
お薦め度 :★★★★ (昭和の鉄道は力強かった)
かな。
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