【読書感想】琉球の風 ~ 歴史はグローバルに動く事を考えられる1冊 ~ [読書]
今年の大河ドラマ「天地人」が良い視聴率らしい。
「歴女」なんて言葉がうまれるくらいだから、歴史物、特に戦国時代を見られる俳優陣で固めたドラマはさぞかし、彼女たちにとっては見応えのあるものなのだろう。
そんな時代、日本列島の周辺に大きな変化が起きようとしていた。それが、漢民族の帝国、明王朝の凋落と滅亡へという、うねりだ。
本書は、その時代の琉球國が、明と徳川、島津といった周辺国とスペイン・ポルトガル・オランダといった東洋貿易に虎視眈々としていた西洋諸国の間で、どの様に立ち振る舞い、生き残る道を産み出そうとしていたかを描いている物語だ。
琉球の風〈2〉疾風の巻 (講談社文庫)琉球の風〈3〉雷雨の巻 (講談社文庫)
この琉球の風自体、大河ドラマだったのだが、放映期間が今までより短い半年間であったため、平均視聴率は17.3%と振るわなかったようだ。しかし、それはちょっとおいておく。
実際、読み進めていくと漢字を琉球語でルビがふってあるので、それで頑張って読もうとは思うのだが、少々まどろっこしくなると言うきらいはある。
しかし、日本と琉球、中国大陸、そして東シナ海の中で歴史が動いていく様を描いているのストーリーは面白いと思う。ただ、文庫本3冊で描くにはスケールの大きな話なので、最後の結末になんともしまりがないような気がする。
・琉球國が日本の統治範囲に含まれていく様を短時間で大枠の知識を得る
・日本列島が必ずしも、ここだけで完結しておらず、様々に影響しあっているという事を認識する
と、いう2つの点においては簡潔なのではないかと思う。
好き度 :★★★★ (気軽な1冊)
お薦め度 :★★★ (上述の通り。沖縄へ出かける前に読むと面白いかな)
かな。
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