SSブログ
JAL日本航空 先得

【読書感想】コラプティオ ~ 時代をみる作家の既視感 ~ [読書]

コラプティオ

コラプティオ

  • 作者: 真山 仁
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/07
  • メディア: 単行本

2010年の春から今年の春、東北地方太平洋沖地震の発生までに連載された真山仁氏の最新作です。雑誌に連載されたものを大幅に加筆訂正され、大地震が福島第一発電所を飲み込み、その事故から強いリーダーシップをもった首相が、新たな政策とビジョンで日本を復興の軌道へ招くがそこには底知れぬ陰謀が・・・・。といったストーリーです。

加筆訂正前の状態を読んでいないので、あくまでも本書の読書感想です。そして、あまり真面目に書いてしまうとネタバレしてしまい、本として楽しめなくなってしまうので、程々にしておきます。

真山氏は「 マグマ (角川文庫) 」を書かれた時から、日本の国策として成長してきた原子力産業そして電力産業に対する鋭い洞察をお持ちだと思います。

なぜ、原子力産業なのか。そして原子力産業を推進していく上でどんな問題や国際的なポジションを日本が選択しなければならないのか。

そういった点が鋭く書き込まれています。

これまでの作品ももですが、今回もどちらかというと日本の旧弊的慣習や政治に対して、批判的だけれど何とか正しい形で収斂させようという主人公を登場させてきています。

ここに作者の「意思」を感じます。
日本の行く道はどこにあるのかということを強く読者自身に問いかけをしている気がします。

その一方で、強いリーダーシップとカリスマ性をを持った首相を登場させています。
日本人は「場」の創り出す雰囲気にのっかり易い傾向があるように思います。
このような首相が登場したら、どこぞの伍長が邁進したような道を歩む日が・・・・、という日が来るのかもしれないという既視感を想起させるようなストーリーでした。

現実ではないけれど、危うい日本の姿を想起させる内容でした。

内容的には面白く好きな内容ですが、忘れやすく踊りやすい状態にある昨今、得もいえない冷たい風を感じる1冊でした。



好き度   :★★★★   (いまが旬なきがします)
お薦め度 :★★★★   (もしかしたら、未来で既視感を感じられるかも)
かな。
にほんブログ村 本ブログへ

タグ:真山仁
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

【読書感想】台湾人には、ご用心! ~ 表紙のデザインに似合わない中身に笑い ~ [読書]

台湾人には、ご用心!

台湾人には、ご用心!

  • 作者: 酒井 亨
  • 出版社/メーカー: 三五館
  • 発売日: 2011/09/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

正直なところ、この表紙の「萌え」風なデザインと中身のギャップは何とも違和感を感じないではいられませんでした。 こんな表紙なのですが、「台湾人には、ご用心!」の中身は硬派。

この様なデザインになったのは、編集者さんや筆者さんの好みなのか、はたまたそんな小難しい話ではないという事を主張したかったのか判断に悩むところです。

とはいえども、読後の感想としては「なるほどな」と思った点が多々有った上に、そういう観点もあるなと気が付きがあった点で興味深い内容な1冊でした。分析もしっかりされていて、確かにあの人の行動はこんな所が台湾の人の常識としてあったのだと腑におちる所も多々でした。

台湾の人は、「何故、親日なのか?」から日常的な特徴を簡単に把握する上では手頃な1冊ではないでしょうか。

ただ、くれぐれも表紙と中身は結びついていません。
ジャケット買いをした場合には大ハズレとなりますよ。


好き度   :★★★★   (納得の出来る点が多々)
お薦め度 :★★★★   (台湾へ行く前に読むと面白いかも)
かな。
にほんブログ村 本ブログへ

タグ:台湾
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

【読書感想】3日で運がよくなる「そうじ力」 ~先ずは、はじめてみた・・・~ [読書]

大塚製薬の通販【オオツカ・プラスワン】

今年は、正月元旦から色々なネガティブな事が続いた上に、体調も悪いというあまりよからぬ事が続いていました。

その様な中での休みの日、家の本棚をぼ~っと眺めていたら嫁さんの本の中にみつけてしまいました。流行の断捨離本、3日で運がよくなる「そうじ力」 (王様文庫) 」。

発行日を見たら結構、昔(?)。

世の中で「断捨離」という言葉が広まる前に発行された本なんだな~と思って、ぺらぺらめくってみました。

3日で運がよくなる「そうじ力」 (王様文庫)

3日で運がよくなる「そうじ力」 (王様文庫)

  • 作者: 舛田 光洋
  • 出版社/メーカー: 三笠書房
  • 発売日: 2006/09
  • メディア: 文庫

まあ、言われてみればそうかな~、と思いつつ、始めてみました。

お掃除。
そして、頑張ってのべ3日やってみました。
衣類 :こりゃダメだなは廃棄。まだ<いけるかも>は古着屋さんへ
本 :未読の本と手元に置きたい本以外は古本屋さんへ
古いPC:リサイクルしてくれる所へ送付
書類・雑誌 :必要なものは、ちょっと保留。学会の研究論集も図書館で見られるから
廃棄!

てな、具合でとにかく不要品を身の回りからとことんなくす努力をしてみました。

そして、水回りと小さめの窓ガラスを掃除

まだ、運は動き始めていないようだけれど、窓がきれいになった事と物が少なくなったことで部屋が、かなり明るくなったようです。

それでも、まだこれはどうしようかな・・・と思ってしまう物もあります。

お~、物を集めたり置いておく事に安心感を見いだしてきた自分としては、画期的な変化です。

読書感想なのか、行動日記なのか分からなくなってしまいましたが、一つのきっかけには間違いなくなった本です。

好き度   :★★★★   (その効果はよくわかりませんが・・・。)
お薦め度 :★★★★   (断捨離のひとつですね)
かな。
にほんブログ村 本ブログへ



タグ:断捨離
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

【読書感想】旅する力-深夜特急ノート  ~深夜特急が生まれ、そして ~ [読書]

旅する力―深夜特急ノート (新潮文庫)

旅する力―深夜特急ノート (新潮文庫)

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/04/26
  • メディア: 文庫

沢木耕太郎氏が考える「旅」、そして『深夜特急』が生まれるまで、あるいはその後の「旅」をまとめたものが、この本なのだと思います。

どうして香港からロンドンへむかったのか。
どんな事を考え、それが始まったのか。
等々。

なにか、感想であまり沢山の事を書く事が憚られるような気がしてしまう、秘めたる内容である気がします。刊行されている書物ですから、沢木氏自身の考えが秘めたるものというわけではなく、私自身の考えが・・・。

私は、初めて1人で「旅立った」のは高校1年生の時だったと思います。
以降、周遊券というものを使って数度北海道・東北・近畿をまわりました。鉄道大好き人間である事から、鉄道ダイヤと限られた時間のなかでどれだけ多くの距離を乗れるかと言う事に楽しみを持っていたところがあります。それはそれで、一つの楽しみ方としての世界観があると思っています。

しかし、今さらながらがむしゃらな乗り継ぎゲームだけでなく、もっと辺りを見回す<旅>もあってもよかったのではないかな~と過去の記録を見ながら思った事がありました。

後悔をしているわけではないのです。
多くの線路に乗ったり、もうすぐなくなる連絡船に乗船するようなコースを組んだりとそれなりに目的に対して満足感を見いだせていたのですから。

私がふと思った事に対して、図らずしも本書で沢木氏は一つの回答を示しているのです。
「旅には適齢期というものがあるのかもしれない」
思わず、なるほどなとうなずいてしまえる一文でした。

『深夜特急』の背景をしり、その深さを知る事も本書の一つなのですが、この様に日常的にはあまり答えを見いだそうとしていないことが、みつかったのは不思議な驚きでした。

もしかしたら、本書は「旅をすること」をあらためて思う為のツールなのかもしれないです。


好き度   :★★★★   (一気に読み終わってしまった)
お薦め度 :★★★★   (『深夜特急』を読んでいない方にも)
かな。
にほんブログ村 本ブログへ



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

【読書感想】実録・警視庁公安警部―外事スパイハンターの30年 [読書]

実録・警視庁公安警部―外事スパイハンターの30年 (新潮文庫)

実録・警視庁公安警部―外事スパイハンターの30年 (新潮文庫)

  • 作者: 泉 修三
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2010/10
  • メディア: 文庫

海外工作員とそれを追う警視庁のスパイハンター・・・・。

第一線でKGBや外国諜報機関や国際テロリズム、あるいは左翼との戦いを赤裸々に綴った1冊だと思って手をとりました。

実際のところは、著者の<壮絶>な警察人生をの記録とした方が良いのではないかと思いました。実際の警察の重要性と業務の複雑さ、普段意識していない事を垣間見られた重要な記録なのでしょう。

ただ、文章が少しいったり、きたりする感があります。

それはある種の躍動感や緊張感ともいえるのですが。

しかし、個人的にはいま少し整理されている方がいいのかなとも思うのですが、それをしてしまうと本質として残された、生身の感覚が消えてしまうのでしょう。

ある意味、難しい1冊でした。

にほんブログ村 本ブログへ


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

【読書感想」 「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 [読書]

「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)

「鉄学」概論―車窓から眺める日本近現代史 (新潮文庫)

  • 作者: 原 武史
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/01/01
  • メディア: 文庫

私自身が、鉄道好きであることは自覚はあります。
しかしそれは、日々のインフラとしての鉄道以上、完全なる趣味として脇目もふらず未満というところでしょうか。最近、「撮り鉄」やら「乗り鉄」やらと色々と細分化している様ですが、悪く言えばジェネラリストな「鉄ちゃん」です。

そんなことで、本書にも紹介されているが、内田百閒先生は勿論、阿川弘之さんも宮脇俊三さんの著書は中高生時代に貪る呼んだ、青春時代のバイブルでした(クサイかな)。

読み始めた順番は上に並べたものとは逆で宮脇俊三さんが始まりでした。
(ちなみに、未だに読み返す事がたま~にあります。)

しかし、この三氏は趣味人である前に歴としたる文芸人であり、彼らの書籍を通して遠藤周作や北杜夫、辻邦生といった小説へ誘う導線でもありました。
鉄道が縁となり、本好きになったともいえます。

さて本書ですが、これまでの鉄道紀行文が人文科学的な文体とアプローチであったのに対して、社会科学的な視点から鉄道とそれを取り巻く社会を描写した鉄道社会学ともいう、新しい視線による1冊だと思いました。

「第6章 都電が消えた日」で提示されている、都電の消滅が東京を立体的認識を失わせてしまったというのは、特にはっとさせられました。

昨今でこそ皇居内堀通りをランニングする事が流行っているので、少しは認識されるようになっているのかと思っていたのですが、走っている人すら駅の「半蔵門」とランニングコースの途上にある半蔵門と一致をみていないケースあるという事実を私は知っています。

そして、団地と私鉄沿線の関係。また、新宿駅が60年代に、なぜ熱い空気を持ち得たのか。70年代生まれの私には、それこそ歴史的な事実としての知識でしかないのですが、この「なぜ」という部分を、鉄道というフィルターを通して説得力のある節が展開されていました。

惜しむらくは、70年代で本書は終点であったことです。
もしかしたら、著者の違う本から、その先の日本が描かれているのかもしれないですね。
今度、読んでみようと思います。


好き度   :★★★★   (一気に読み終わってしまった)
お薦め度 :★★★★   ()
かな。
にほんブログ村 本ブログへ



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

【読書感想】ビジネスEVERNOTE ~ 穏やかな情報整理のはじまり ~ [読書]

ビジネスEVERNOTE (日経BPパソコンベストムック)

ビジネスEVERNOTE (日経BPパソコンベストムック)

  • 作者: 日経BP社編
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2010/11/25
  • メディア: ムック

最近よく聞くEvernote。
私も少し前に登録をし利用してきましたが、WEB閲覧時の備忘録程度にしか使用していませんでした。正直なところ、どの様に有効活用できるのかを考えあぐねているといったところです。

色々な書籍や雑誌でもEvernoteに関する記述はたくさんあり、書店等でも手にしてみていたのですがEvernote自体の説明やアカウントの作成方法といった初心者向けのものが多くあまり触手が伸びなかったのも事実です。

もう少し、複雑な話題を取り扱う書籍は、他のアプリケーションとの連携といったテクニックに偏っていて、これまた私にはいまひとつフィットせず・・・・。と、いった中で本書を手に取ってみました。

もちろん本書自体も初心者から、ある程度中級者ぐらいまでをターゲットに書かれているのか、アカウントの作成やアプリとの連携の話題も書かれています。それ以上に様々なタイプの人が、Evernoteを使用する事でどのようにビジネスへ活かしているか、あるいはプロセスを変化させることができたのかといた事例が多く紹介されており、実際のシーンで活用できる方法を垣間見せてくれています。

これは私自身が、使い方を模索する上で新たなイメージを作る上で参考になりました。反面、iPadを使ってのシーンというものを多く取り扱っており、何となくそれがないとみたいな強迫観念に囚われそうで少し怖いなとも思いました。もちろん、iPadを持ち、それと連携していくことは、PCと比べてとてもシンプルであるとは思いますが。

携帯性と入力・出力を兼ね備えたタブレットPCの世界とEvernote自体は親和性は高いと思います。タブレットPCと連携した活用方法は正直今後もっともっと広がっていくのでしょう。

そういった面から考えると、android系のタブレットデバイスが世の中に出回ることで、iPadと比較すると、もっと安価に活用環境を整備することが出来るようになるのでしょうね。
(と、いうよりもそれを願っています。)

iPadがメインのデバイスとして多くの例として掲載されている背景には、出版の時期と、デバイス系の販売時期がうまくかみ合わなかったということなのでしょう。それを割り引いても、なかなか興味のある1冊だと思います。

私も、早速、自宅のPC利用時にはEvernoteをデスクトップに開いておくことと、premiumを1ヶ月お試しで利用してみることにしました。会社公認でEvernoteが使用できるようになると、いいのですがね~。


好き度   :★★★★   (新し視点の獲得)
お薦め度 :★★★   (androidの情報も欲しいです)
かな。
にほんブログ村 本ブログへ



タグ:Evernote
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

【読書感想】グラハム・ベル空白の12日間の謎 ~ 歴史は創られていく・・・ ~ [読書]

グラハム・ベル空白の12日間の謎―今明かされる電話誕生の秘話

グラハム・ベル空白の12日間の謎―今明かされる電話誕生の秘話

  • 作者: セス・シュルマン
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2010/09/23
  • メディア: 単行本

グラハム・ベル空白の12日間の謎―今明かされる電話誕生の秘話は、非常に興味深い1冊だった。正に歴史は創られるということを明確にした1冊ではないかと思います。

本書は、グラハム・ベルが電話を最初に発明したとされているという一般的な歴史観に一石を投じるものです。そして、「歴史的な真実」となる事実、は力ある者が刻み残していくという事がこれまでの歴史の積み重ねであったという事を、ベルの事例から証明したともいえると思います。

いみじくも、「歴史の勝者は、物事がどのように記憶されるかコントロールするのに適した立場にいる」ということを筆者もコメントしています。

筆者が、ベルの研究から発見した疑惑。それは正に私達の「常識」が本当はにコントロールされた結果の<事実>ではないかと言う事でした。

「ワトソン君ちょっと来てくれたまえ・・・」
こうして、電話の歴史の幕がきっておとされた~、というのが少し単純ですが伝記等から受けたベルの偉業でした。実は、それが盗作であったのでは・・・・。
本当の名誉を得るものは別にいたのでは。
その人は、何をしていたのか、なぜ口を閉ざしているのか、あるいはなぜそれが歴史的な表舞台にでてこないなのか・・・

この様な問いに対して、ストーリーは、筆者自信が登場する事によって、単なる学術報告書ではなくともするとミステリー小説のように読む事ができます。

そして参考文献を丁寧に探してそこから推理の紐をたぐり寄せていく記述などは、歴史学者といのは文献を通しながら過去と対話をしている探偵なのではないかと思ってしまいます。(探偵的なするどい観察眼と推察力は必要だとは思いますが)

しかし、正直に言えば、学術的な事を考慮されて丁寧に参考文献等を記述しているところは読み物としてはスピード感を折ってしまい若干まどろっこしくも感じるかもしれません。
ただ、これを端折ってしまうと後で理解が届かなくなるので、少し我慢です。

そして、筆者の指摘に、なるほどとうなずくのです。

僅か150年ぐらいまえの意外と記録がはっきりと残っていると思われる時代でさえ、こういう事が起きるのかという事を考えさせられる1冊でした。

そして、もうひとつ本書とは直接関係はないのですが、ある事に気が付きました。

100年近く、ベルの記録したノート等は封印されていたのですが、少なくとも視認できる存在であったことから、筆者は最後に確信を得る事ができたのだと思います。

しかし、今日、一般的な文書は電子的に作成され公開するという意図を作成者が持たない限り、どこかのハードウェアに埋没していってしまうのではないだろうか。そして、未来の歴史家はよりコントロールされた資料でしか過去を検証できなくなるのではないかという恐れがあるのではないだろうかという事です

パスワードに保護された多くのファイルは歴史の流れの中に埋れていく事になるのではないでしょうか。仮に歴史というものが強い者によるコントロールを受けたものだとするならば、パソコンの普及は未来、歴史の再検証するという作業を阻害するのかもしれません。

しかし、反面、パソコンとネットワークの普及が歴史の書き手を増やしたという事もいえるでしょうから、それは杞憂なのかもしれませんが・・・。

等々、グラハム・ベルの疑惑の疑惑から歴史の記述といった点まで考えてしまう、内容のある1冊ではないかと思います。


好き度   :★★★★   (「歴史」というものを考える切っ掛けになりました)
お薦め度 :★★★★   (電話という手のひらの上にある技術の歴史を知る)
かな。
にほんブログ村 本ブログへ



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

【読書感想】 血税空港 ~我田引水の果て・・・~ [読書]

血税空港 本日も遠く高く不便な空の便 (幻冬舎新書)

血税空港 本日も遠く高く不便な空の便 (幻冬舎新書)

  • 作者: 森 功
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/05/27
  • メディア: 新書

様々な資料やインタビューを通して日本の空港事情を分析し簡単に把握できる1冊であると思う。本書を読んで先ず思った事は、空港行政にはおいては、日本の政治家にしろ官僚にしろ長期的な「国家戦略」と呼べるモノがあって税金を使っていないのだなと言うことだ。

むしろ、多額の税金を投入して、将来にわたる膨大な赤字と日本の地盤沈下を招いただけ。

結局、儲かったのは土建屋とそれにつらなる政治家や官僚だけなのだろう。

普通に考えれば、新幹線も引いて、空港も作って。
いったいどれだけの人間が毎日移動するというのか。
そう考えると、鉄道も道路もなんにも考えずにお金を突っ込んいるのだろうか。
(いや、目先と自分たちの利益はちゃんと考えているな。)

1点だけ本書が書かれた時と大きく異なっているのが、今年(2010年)の10月に控えた羽田空港の国際線復活である。その国際線も近距離アジア線に限って話が進んでいたはずが、いつの間にか北米線や欧州線まではいっている。

千葉県には申し訳ないが、東京がベースとして海外と仕事をし、かつ必要最低限の往来で済ませようとどこの企業も考えている昨今、成田空港までの移動時間は<<無駄>>でしかない。

物見遊山の旅行者は、時間にゆとりがあるから成田空港でもいいが、仮にチェックイン2時間前までに空港に来なさいと言われたとき、後何分オフィスにいられるかという差は歴然であろう。
そうなると成田空港の生き残る道は、LCCと貨物ということになるだろうか。

しかし、論点は成田だけではない。
各地に散らばる「血税」で作られ、今後も維持されていく空港である。
茨城空港なんて開港初日に、維持できるのかと散々ニュースで言われたきり話題にも上らない。
地方空港は、国内の航空会社が来てくれないので、支店を構える費用を補助したり、様々なインセンティブを税金突っ込んで韓国のアシアナ航空に就航してもらっているそうだ。
韓国のアシアナ航空だっていつまで付き合ってくれることか。
と、いったことが本書を読みながらつらつらと考えてしまった。

本書は、航空行政という政府の「お仕事」の一片を取り上げたものだが、今後、この日本という国をどのようにしていきたいのかという意思のある政治家を選んで行かなければならないと言うことを切に思った。

選挙では、また甘い言葉に惹かれるのだろうけれども。


好き度   :★★★★   (現状の考察)
お薦め度 :★★★★   (賢い投票者を目指して)
かな。
にほんブログ村 本ブログへ



タグ:空港
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

【読書感想】 ニッポン鉄道遺産 ~ 懐かしいと思ってしまう自分が・・・~ [読書]

ニッポン鉄道遺産―列車に栓抜きがあった頃 (交通新聞社新書)

ニッポン鉄道遺産―列車に栓抜きがあった頃 (交通新聞社新書)

  • 作者: 斉木 実
  • 出版社/メーカー: 交通新聞社
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 新書

ニッポン鉄道遺産―列車に栓抜きがあった頃 (交通新聞社新書)は、月刊 『旅の手帖』に平成14年11月号から平成17年10月号まで「ニッポン鉄道遺産を旅する」として連載されたものをまとめ、写真等を追加して出版したものだそうです。

副題、列車に栓抜きがあったころ・・・は、遙か大昔の話で自分もしらないな~という思いで本書をめくり始めたのですが、あにはからず、「お、あれのことね」と、分かってしまう自分がいました。

むしろ、多くの事ははっきりと自覚して覚えているものでしたし、そうでないものも朧気な記憶の中でそんな施設もあったな~と思ってしまう、なんだかほのぼのとした記憶を思い起こす1冊でした。

本書ではとりあげてはいませんでしたが、朝のラッシュ時に、入札鋏をを持ち、カチャカチャとリズムを取りながら定期券の数字に改札係の駅員さん達が目を凝らしていた、改札口の風景もいまや鉄道遺産なのではないだろうか、なんて思いを持ちながら少し俗世を離れて、自分の記憶を辿ってしまう様な読み方をしてしまいました。

アラフォー以上の人間にとっては、なんだか懐かしい風景が。そして、それ以下の人達には日本の鉄道にもこの様な情景があったのだよという語り部の様な本ではないでしょうか。

駅の立ち売り、硬券、車内放送のオルゴール。
まだ現役の所もあるようです。そんなのを少しずつみつけて見たいなと思いました。
(オルゴールに関しては、それをまとめてサイトを作られている方がいます。)


好き度     :★★★★   (気軽な1冊)
お薦め度 :★★★★   (自分で探す旅に出たくなります。)
かな。
にほんブログ村 本ブログへ



タグ:鉄道遺産
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。